危険な「貧困脱出マニュアル」タカ大丸

この本はかなり危険な本だと思います。書いている内容を本気で実践してしまったら路頭に迷う確率はかなり高いのではないか。

本書のなかで稼げる職業として紹介しているのが、競輪選手や競艇選手、力士などのスポーツ選手です。たしかに、野球選手やサッカー選手に比べれば食べていける可能性は高いかもしれませんが、そもそも「一攫千金」的な思考で職業を選択すること自体が危険です。

貧困状態を脱出するのに大切なのは、お金の稼ぎ方よりも、お金の使い方を知ることなのではないかと私は思っています。家賃を安くする工夫や食費など、無駄な支出をしない方が賢明なのではないでしょうか。そしてどんなに支出を削っても、どうしようもないなら、公的な制度に頼って再建した方がよい。

筆者は貧困家庭で育ち、DVの被害にもあっていて、同様の境遇の方には希望の光のように見えるかもしれません。しかし、私にはこの本が新手の貧困ビジネスのように見えてしまいます。貧困状態の人に耳触りの良い話しをして、本を売っているように感じてしまいます。

amazonの評価が高くて驚きましたが、今本当に貧困状態で余裕の無い人が読むと感動してしまうのかもしれません。また、恵まれない境遇から成り上がったというのも、感情移入しやすいのかもしれません。

筆者本人に悪気が無く、「これで成功出来る!」と信じているだけに余計にたちが悪い。あまり本気で参考にしない方がいいです。