田舎でのんびり暮らすために必要なこと

田舎でのんびり暮らしたい、と思っている人は、けっこう多いみたいです。少し古いデータになりますが、2014年の調査で、東京都の20代〜30代の既婚者では、地方に移住したいと希望している人が4割もいるという調査結果がありました。

私は出身が関東で、社会人になってからは東京に住んでいました。生まれてからほとんどの時間を関東で過ごして、田舎には漠然とした憧れがありました。豊かな自然、綺麗な川や海、のんびりした暮し。

しかし、現実は甘くありません。たしかに自然は豊かだし、海も川もびっくりするくらいきれいです。でも、「のんびりした暮し」は、簡単には実現できません。

田舎だろうが都会だろうが、働かずにいたら生活できません。そして田舎は給料がめちゃくちゃ低いです。東京の新卒正社員であれば、月給20万円はあると思いますか、田舎(とくに高知)は、15万円程度です。東京で20万円の手取りから7万円の家賃を支払ったら残りは13万円ですが、高知で15万円から3万円の家賃を払ったら残りは12万円で、たいして変わりません。

しかも、高知県では仕事自体が少ないので労働条件もよくありません。以前の記事でも書きましたが、高知県の移住促進科に就職相談した時に「週休2日は諦めて下さい」と言われるくらい労働条件は悪いです。先日、ハローワークから仕事を紹介されましたが、額面15万円、年間休日は80日でした。これではいくら家賃や物価が安くても、のんびり生活していくことはできません。

しかも、地方は意外と物価が高いです。東京であれば、徒歩圏内に複数のスーパーやコンビニがあるので、競争原理が働き、自然と物価は下がります。しかし、地方のとくに田舎では、徒歩圏内どころか10数キロ範囲にスーパーが一軒しかないということもあり、物の値段は高くなりがちです。また、遠方に移住する場合、引っ越し費用もかかります。もちろん、働かなくても大丈夫なくらい資産がある人や、悠々自適の年金暮らしをしている方なら関係ありませんが、普通の20代30代が働かずに暮らしていくのは難しいでしょう。

でも、「せっかく田舎に住むのだからのんびり暮らしたい!」と思うのが移住希望者ではないでしょうか。田舎暮らしを希望していて、「田舎でバリバリ働いてビッグになりてぇ!」って考えてる人はいなそうです。

たしかに田舎は物価も安くないし、給料も低いです。でも間違いなく家賃は安い。その家賃の安さを活かしていけば、のんびり暮らすことも可能だと私は思っています。実際、私も毎日暇過ぎるくらいのんびり暮らしています。

移住の準備は節約から

そこで大切なのが節約です。

田舎移住をしようと思ったら、東京で働いている時から節約を始めて下さい。これは、結果的にお金が貯まることになりますが、目的は貯金よりも、お金を使わない生活習慣を身に着けることです。東京で暮らしていると、自然とお金を使う習慣が身についてしまっています。私の場合、東京で暮らしていた時の家賃を除いた一ヶ月の生活費は10万円程度でしたが、現在は毎月3〜5万円です。毎月5万円以下で生活できるのであれば、いくら最低賃金全国最下位の高知県でも、一週間に2〜3日アルバイトでもすれば十分に稼ぐことが可能です。実際には、家賃と税金がかかるので、もう少しシビアにはなりますが、15万円の給料でも年間で100万円貯めることが出来れば、翌年は1年以上働かなくても生活できます。

生活費を極端に下げて、家賃の安い田舎で暮せば、必死に正社員で働く必要はなくなります。正社員で数年働いて数年休んだり、アルバイトで週に数回働いたり、自分のペースで働ける自営業に挑戦することも可能になります。仕事に追われずに生活することが出来れば、思いきり理想の田舎暮らしを満喫できます。

まずは節約をしてお金を使わない生活習慣を身につけること、そこからはじめてみてはいかがでしょうか。