何故仕事がつまらないか

僕の仕事環境は、とても恵まれていると思う。

出勤する必要はないし、働き過ぎて死ぬほどの仕事量があるわけでもない。毎日、何となく朝起きて、何となくパソコン立ち上げて、メールやらなんやらを処理していれば、月末には給料が貰えてしまう。

東京に住んでいるときは、毎日朝7時過ぎには家を出て、満員電車に揺られて会社に行き、声の大きな人たちと朝礼をやり、夜遅くまで働いていた。

それに比べると、今の生活はものすごくラクだ。満員電車や嫌な上司とも顔を合わさなくて済むし、自分のペースで仕事ができている。それなのに、何かが足りない。面白くない。

何故つまらないのだろう。

そもそも、仕事と認識してやっていると、どんな面白いこともつまらなくもなる。とくに、時給制や月給制の場合は尚更だ。いくらたくさん働いたところで給料は変わらないのだから、頑張れば頑張るだけ社長の懐をふくらますだけになる。この人の為に働きたい!という社長であれば、そんなこともあるのかもしれないが、大抵どこの社長というのも、金は持っているから、社長より貧乏な社員が、社長に無償で金をあげる理由もない。

会社に通っている時は、ぼんやりそんなことも考えていたが、会社の内部にいるとその場の空気に飲まれて、何となく働いてしまっていたように思う。場の空気というのは恐ろしい。

自宅で働いていると、そういう余計な資本家の作り出した労働倫理的な空気の影響も無いから、自分自身の判断が優先されるようになる。そうすると、自分の考えを大切にするようになるから、社長の意思を自分の意思であるかのように動く社員に違和感を覚えてしまう。一人で働いていると、それが僕をいらいらさせる。

結局のところ、僕はあの会社を好きになれないのだということだ。金のために、好きでもない会社のために働くのは、気持ちが悪い。