貧乏人の焼き肉は河原がいい

我が家は貧乏である。

正確にいえばそこそこの貯金はあるのだが、金を使いたくないので貧乏人らしい生活態度を取り続けている。贅沢するために働くくらいなら節約したほうがマシというのを信条としている。

ここ最近の毎月の生活費は5万円を目安にしていて、そのうち1万円を食費として使っている。外食費は別途毎月3,000円程度だが、時には焼き肉を食べたくなることもある。

焼き肉を店で食べれば簡単に4,000〜5,000円になるが、僕にはそれほど自由になるお金は無い。5,000円を稼ぐには、最低賃金最下位の高知県だったら丸1日働かなければならない。丸1日働くくらいなら食べないほうがマシである。

それでも、時には贅沢したい。我慢はしたくない。

そんな時には河原に行く。河原にタープとバーベキューセットを持って行って焼き肉をするのだ。

コンロはバケツコンロというのを使っている。これは、戸越銀座の雑貨屋で購入したもので、金属のバケツの底に空気を取り入れる為の穴がいくつか空いている物だ。これに新聞紙と炭を入れて火をつける。そしてその上に網を乗せて肉を焼く。

炭代は一回200円くらいだし、肉も二人で3000円もあれば食べきれないくらい買える。焼肉屋で食べるより4分の1程度の金額で、腹いっぱい食べられるので、貧乏人にはオススメ。

家の中で焼き肉をすると、煙いし、油が跳ねたりして後片付けも面倒だが、外で食べれば煙は風で流れるし油がはねても気にする必要はない。

冬は寒くて辛いが、夏は暑かったら川に飛び込めばいい。また、関東近郊のようにたくさん人がいないので、誰もいない河原でのんびり過ごすことが出来る。

食後は川の中に椅子を出して、足を川の水につけながら本を読んだり、昼寝をしたり。

高知市からであれば、日本で一番綺麗な川といわれている仁淀川が近く、市街地から30分もかからない。

四国を流れている川の特徴は、上流だけでなく下流まで透き通った水が流れているということで、とくに仁淀川は河口まで水は青く透き通ったまま流れていく。

関東に生まれ育った僕としては、川というのはドブ臭い水が流れていて、水に浸かったり泳いだりするには、相当上流にいかなければならないイメージだった。ところが、仁淀川では河口まで透き通った流れが続くのだ。

川というのは、下流になればなるほど水温が高くなる。そして、仁淀川では下流の水温が高いところで泳ぐことが出来るので、川遊びには最適なのだ。

しかも夏の終わりには川の中は魚だらけになる。浅瀬で寝転がると、体の上を小魚の群れがきらきらと横切る様をあなたは見たことがあるだろうか。アウトドア好きならずとも感動するはずだ。

高知には夏に来て、ぜひのんびり河原で過ごしてほしい。関東なんかに住んでいる場合ではないと思うはずだ。