別冊シーガルハウスについて

今は高知県に移住して、家庭菜園や釣りをしてのんびり暮らしているのだが、こんな暮らしをするようになったきっかけのひとつに「別冊シーガルハウス」というブログがある。

僕はこどもの頃から、釣りが好きだった。それと、かぼちゃの種を庭に埋めたり、芽の出たジャガイモを植えたり、家庭菜園の真似事をして遊んでいた。

ただ、大人になってからは、釣りに時々行くくらいで、野菜を育てたりはしていなかった。

とくに、社会人になってからは、会社の借上げアパートの6畳間では庭もないし、小さなベランダはあったが、仕事が忙しくほとんど窓を開けてベランダに出ることもなかった。

そんな頃に読みはじめたのが別冊シーガルハウスというブログだった。このブログは、神奈川県のシーガルハウスというシルクスクリーン印刷を個人でやっている方の趣味用のブログで、海での小物釣りや家庭菜園、山野草や茸狩りについて綴られている。

当時、釣りブログというと、釣法について書いてあるものばかりで、生活に密着している釣りブログはあまり無かった。(今もそうかも)

それと、釣った魚の料理を綺麗に盛り付けた写真が載っているのもよかった。当時も今も、なぜか釣りブログの料理の画像は、どれも不味そうな写真ばかりなのだ。

別冊シーガルハウスの、印刷の仕事の合間に、釣りに行ったり、野菜を収穫したりする生活は、当時サラリーマンで激務を極めていた僕には理想の生活に見えた。自分が釣った魚と自分が育てた野菜を自分で料理して食べる生活というのに憧れた。そして、こどものころ頃から、釣りや野菜を育てることが好きだったのは、自給自足的な生活に興味があったからなのかもしれないと思うようになった。

野田知佑などのアウトドアライターの暮らしに憧れたこともあったが、作家でもない普通の人が釣りや家庭菜園をしながらのんびり暮らすことが、具体的にイメージできなかった。しかし、このブログを読んで、はじめて普通の人でもこんな暮らしが出来るのだ、ということに気付かされた。

このブログの方は、のんびりしているどころか、毎日休み無く働いているし、普通の人といっても個人で事業をしている社長さんなのだが、それでも、作家という職業よりは身近に感じられて、自分にも同じような生活ができるかもしれない、と思わせてくれたのだった。

このブログは、かなり長く続いているブログで、もう15年くらいになるようだ。僕が読みはじめたのは12,3年前だったかと思う。たぶん僕が一番長く読み続けているブログだ。

最近は、更新が滞ったり、記事内容が少なかったりするが、今でも時々気になって読んでいる。仕事は息子さんに引き継いでいくそうだが、お元気で、ブログも続けていっていただきたい。

 

追記。

別冊シーガルハウスは、書籍化されてないが、この記事は本関係のカテゴリーに入れました。ブログも本も同じ文章ということで。