高知の床屋は河原がいい

皆さんは髪をどこで切っているだろうか。

オシャレな美容室でカットしてもらう人もいれば、1,000円カットでお願いする人、はたまた自分でセルフカットする人もいるかもしれない。

最近はカリスマ美容師なんて言葉も聞かなくなり1,000円カットも当たり前になってきたように思う。広告代理店で働いていたときには、皆美容室で髪を切っていたが、別の業界で働いていたときは1,000円カットを利用している人も多かった。

僕も以前は1,000円カットに通っていたのだが、1,000円とはいえ金銭の支払いが生じるのと、あの自分が工場の製品にでもされたような雰囲気があまり得意ではなくて、ここ数年はセルフカットになってしまった。

セルフカットは気楽だ。左右だけバリカンで刈ればモヒカンになるし、慣れれば前髪だけ切ったり襟足だけ短くすることも出来る。

高校生のころから、僕は自分で髪を時々切っている。当時は、それなりにオシャレにも気を使っていたので、基本は美容院や床屋で切ってもらっていたが、僕は夏になると、髪が長いのが嫌で坊主頭にしていた。坊主頭にするのにわざわざお金を出すのは馬鹿馬鹿しい。そこで自分でバリカンを買ってセルフカットを始めたのだ。

今では一年中基本的にセルフカットしている。寒い冬は髪は長めの方が暖かいのだが、自分でカットするのは難しい。そんな時には妻に髪を切ってもらっている。

で、セルフカットをしていると何が面倒くさいって、カット後の片付け!髪を切るのは楽しい。とくにバリカンでバリバリ芝生のように髪を刈っていくのは爽快だ。しかし、切り終わった髪の毛の処理は実に面倒くさい。

風呂場で切ったら、排水口に溜まることになるし、部屋の中で切れば部屋中に飛び散って掃除が大変だ。

不思議なもので、髪の毛は一度体から切り離されると、自分の髪の毛であってもなんだか気持ち悪いのである。さっきまで俺の頭に引っ付いていたくせに切り離された瞬間に他人のツラをしだす。黒くてモサモサしているのもグロテスクだ。

で、この他人行儀の髪の毛が排水口に大量に濡れて固まっていたりすると、すごく嫌な感じなのだ。今までは、この切り終わった髪の毛の処理が本当に憂鬱だった。

それが高知に来て画期的な方法を発見した。

河原で髪を切るのだ。

河原にバリカンを持って行って上半身裸で髪を切る。

河原で髪を切れば飛び散る髪の毛を気にする必要は無いし、排水口に詰まる心配もない。

また、髪を切ったら川に飛び込んで綺麗さっぱり。河原に落ちた髪の毛は焚き火で燃してしまえば跡も残らない。

人工過密な関東近郊の川でこんなことをしていたら怒られるかもしれないが、高知では河原に人がたくさんいることはなく、自由だ。

真冬の間は難しいが4月後半〜10月中旬くらいまでなら、エイヤッでけっこうなんとかなる。

おおっぴらに「オススメだからみんな河原で髪を切ろう!」とは言い難いが、爽快感は床屋の比ではない。

ま、機会があれば一度どうぞ。