高知の平野部では8月に入ると稲刈りが始まります。
今年も8月1日から高知市や南国市などで稲刈りが始まりました。
関東から移住してくると、稲刈りの早さには驚かされます。稲刈りは秋のイメージがあるからです。黄金に色付いた稲穂を収穫するのは、栗などと同じ「秋の実り」という感じです。
高知では8月のまさに夏真っ盛りの時期に稲刈りが行われるので、農家の方の苦労は並大抵のものではありません。
先日も35℃を超える猛烈な暑さのなか、農家のおじいさんがコンバインにパラソルをさして収穫作業をしていました。僕は車を運転していて冷房の効いた車内にいましたが、それでも陽射しは強烈過ぎてエアコンが暑さに押し負けるような状況で、とても素人が出来ることではないと舌を巻きました。
最近はこの暑さに対抗するべく、エアコンが使えるコンバインが増えているそうです。コンバインにガラスで囲まれた小さな運転席があってエアコンを使うことができるので、かなり収穫作業は楽になったとのことでした。
ただ、その分コンバインの値段が上がってしまい、家族だけで経営しているような小さな規模の農家では手が出せないようです。
また、コンバインの値上げとともに、農家の高齢化もあり、最近は収穫を専門に行っている業者に委託することも増えています。
さらには、収穫だけでなく植え付けも専門の業者に依頼をすることが多いそうで、田植え機もコンバインも年に一度しか使わないのですが、価格は数百万円と高額なので、とても米だけを小さな土地で栽培していても元が取れないとのことでした。
僕は稲作をしたことはありませんが、将来は自分で米も作ってみたいと思っています。しかし、実際に農家の方や家庭菜園として田んぼを借りて米を栽培している方の話を聞くと、なかなか大変なようです。
家庭菜園として稲を栽培していた方に話を聞くと、家族が食べる分だけを栽培しようとしても絶対にペイ出来ないので止めてしまったとのことでした。
以前、稲の植え付けから収穫までを手作業で行っているという人の本を読みました。
コンバインや田植え機を使うことが当たり前の時代にあえて機械を使わないことで、金銭的負荷を減らすという方法でした。
これは、家族が食べる分だけを栽培する方法で、商売としては成り立たない、ということでしたが、僕としてはとても気になる本でした。
将来、田んぼを借りられるようなことがあれば、一度試してみたいと思っています。