土佐弁の時系列問題

土佐弁を聞いたことがあるだろうか。関東の人からすると土佐弁はかなりキツく聞こえる。そのうえ早口なので、年寄りと話していると何を言っているのか分からない時が多々ある。

僕が高知の人と会話をしていて地味に困るのが、時系列の問題だ。

土佐弁には、語尾に「ちょった」「よる」「よった」「ゆう」という言葉が付くことがある。語尾によって時系列が異なるようなのだが、僕はいまいち理解できていない。

「雨が降りゆう」というのは「雨が降っている」

「雨が降っちょった」というのは「雨が降っていた」

「雨が降りよった」というのは「雨が降っていた」

ということなのだが、この場合「雨が降っちょった」も「雨が降りよった」も同じ意味なのだとか。そして、「雨が降っちょった」とは普通言わないそうだが、「〜よった」も「〜ちょった」も過去形だとのこと。

また「雨が降りよる」とは言わないが「〜よる」は現在完了形で、「〜ゆう」は現在進行形とのこと。

これはあくまで僕の周囲に聞いたことなので、正確かどうかは分からない。聞いた本人も、何故そういう使い方をしているのか分からないそうで、ネイティブスピーカーに質問しても、なかなかわかりやすい説明を引き出すのは難しい。

で、この語尾の問題が意外とややこしくて、高知県人と話していると、それが過去のことなのか現在のことなのかよく分からなくなってしまうことがあるのだ。関東の僕にとっては「〜〜しよる」と聞けば、現在進行形で今現在のことだと認識してしまうのだが、正確には現在完了形で既に終わったことだったりする。

このように時系列が解り難いうえに、言葉のアクセントも異なるから、咄嗟に話されると何を言っているのか解らなくなってしまうのだ。

高知に来てしばらくは自宅に引きこもる生活が続いていたのであまり意識しなかったが、意外と方言の問題は大変。

高知に来て2年以上経つが、妻との会話は基本的には標準語で行っている。当たり前だが、妻の実家に行くと妻はお義母さんと現地の言葉話す。で早口で話し出すと、時々何を話しているのか理解できなくなる。

県外出身者だと理解してくれた上で一対一で話せば何も問題は無いが、高知県人のグループ内で会話をしたり、すこし仲良くなると土佐弁はキツくなるので注意が必要なのだ。

という具合に、土佐弁はわかりやすいようで実はけっこう難解。

ちなみに、時代劇の坂本龍馬で有名な「ぜよ」を使う人は現在ほとんどいないそうです。